【書評】発達障害の子どもたち

目次

内容紹介 講談社 (2007/12/19)

言葉が幼い、落ち着きがない、情緒が不安定。

育ちの遅れが見られる子に、どのように治療や養護を進めるか。

長年にわたって子どもと向き合ってきた第一人者がやさしく教える。

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)

著者

杉山 登志郎

1951年、静岡市生まれ。久留米大学医学部卒。名古屋大学医学部精神科、愛知県心身障害者コロニー中央病院精神科医長、静岡大学教育学部教授などを経て、現在はあいち小児保健医療総合センター保健センター長。日本小児精神神経学会常務理事、日本発達障害学会理事などを務める。専門は児童青年期精神医学

目次

第1章──発達障害は治るのか

第2章──「生まれつき」か「環境」か

第3章──精神遅滞と境界知能

第4章──自閉症という文化

第5章──アスペルガー問題

第6章──ADHDと学習障害

第7章──子ども虐待という発達障害

第8章──発達障害の早期療育

第9章──どのクラスで学ぶか―特別支援教育を考える

第10章─薬は必要か

発達障害に関する誤解

・発達障害は一生治らず、治療法はない

・通常学級で学んだほうがよい

・言語療法、作業療法で発達は促進される

・通常の高校や大学を卒業できれば社会生活は問題ない

発達とは

・発達の過程=もともと持っている力×周囲の働きかけ

・一般には、生物学的な素因の方が環境因よりも大きな影響を持つ
⇒双子を追跡した研究などによって明らかに。

・ただし、遺伝子は環境の影響を受ける(妊娠期のストレスやタバコ等)

発達障害

・2005年に発達障碍者支援法が施行

・発達障害は重なり、それによって生活が困難となる。
⇒注意欠陥多動性障害とアスペルガー障害の併発等

・発達障害を持った子どもも日々発達し、凹凸や失調は全体として改善していく

自閉症

・IQ70を境目として高機能・非高機能と分かれる。

自閉症の認知の特徴

・情報の中の雑音の除去ができない

・一般化や概念化という作業ができない

・認知対象との間に心理的距離が持てない

アスペルガー症候群

自閉症(社会性障害・コミュニケーション障害・想像力障害)の症状のうち、コミュニケーションの障害の部分が軽微なグループ

ADHD(注意欠陥多動性障害)

多動・不注意・衝動性を三大症状とする

感想

インターネットでは独り歩きし、ネタとして扱われがちな発達障害ですが正式な定義を知りたい方にはオススメです。